クロムの効果と効能・副作用

微量ミネラルであるクロムは、摂取すると血液の中でトランスフェリンという糖タンパク質と結合して運ばれます。これが肝臓、腎臓、脾臓、骨に集まります。成人の体内には、約1.8mg含まれています。
クロムの効能で代表的なのは、血糖値とコレステロール値を正常に保つ効果です。
食べ物を摂取すると血液中に含まれるブドウ糖の濃度が上がります。これが血糖値が上昇するということで、このときに
血糖値を下げるホルモンであるインスリンが肝臓から分泌されます。糖尿病の人はインスリンの分泌量が不足していたり、分泌の速度が遅いことが原因になっていることがあります。
クロムには、糖質が増えすぎて血糖値が上がった時に必要なインスリンの力を強める働きがあります。また、血液にコレステロールなどの脂質が増えすぎた時にその量を減らす働きもあります。
インスリンがブドウ糖を細胞の中に入れるには、インスリンレセプターという入り口を通る必要があります。クロムはこのインスリンレセプターの入り口を開けるカギのとして働くので、インスリンがブドウ糖を細胞内に入れやすくなり、ブドウ糖からエネルギーを作り出しやすくなります。また、クロムにはインスリンレセプターの数を増やす効果もあるので、糖質代謝がよりスムーズになります。
クロムが不足すると糖質と脂質代謝がうまくいかなくなり、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの病気にかかりやすくなります。
クロムが多く含まれている食べ物は、小麦胚芽などの穀類や、海藻類や魚介類です。ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率がアップします。ビタミンCを含む果物にはキウイ、いちご、アセロラや、野菜類ではパプリカやブロッコリー、ジャガイモなどがあります。
食品中に含まれているクロムのほとんどは3価クロムで、吸収率が低く0.5%〜2%ほどにしかなりません。生体内にも超微量に存在しており、インスリン作用を増強して正常な糖質代謝にしたり、コレステロール代謝、結合組織代謝やタンパク質代謝の維持などにも関与しています。
年をとると、クロムは体内での含有量が減少してしまうミネラル成分です。通常の食生活で不足することはありませんが、完全静脈栄養や高カロリー輸血などで欠乏症が起こることがあります。
クロムが不足するとインスリン感受性の低下や、窒素代謝の異常、体重減少、末梢神経の障害、角膜障害などが起こります。
インスリン感受性は、インスリンの効き目が悪くなってしまう状態です。肥満の人に多く、これにより膵臓がより多くのインスリンを作らなければならなくなるため、負担が大きくなり疲弊して、機能不全が起こる原因になります。これにより糖尿病になりやすくなります。
摂りすぎ副作用ですが、食事から吸収できる3価クロムは毒性が低い上、吸収率も低いです。なので、過剰症はめったに起こりません。ただし、長期間にわたって過剰摂取し続けると、嘔吐、下痢、腹痛、肝障害や腎尿細管障害、中枢神経障害などが起こることがあります。
また、毒性の高い6価クロムを過剰摂取すると皮膚炎や肺がんのリスクが高まります。
6価クロムは人為的に産出されたもので、強い酸化作用を持っています。クロムメッキ工場で6価クロムによる中毒が起こったトラブルも報告されています。
クロムのサプリメントはたくさんありますが、食事摂取基準をはるかに超えているものも少なくありません。食品からでも十分摂取できるので、サプリメントで摂りすぎないように気をつけましょう。クロムの1日推奨量は、成人男性で40μg、成人女性で30μgです。妊婦や授乳婦だからといって、特別多くとらなくてはならない、ということはありません。

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